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リスペクトが必要。

こんにちは。R-STOREの浅井です。

今更ながら、仕事をしていく上で、いや人生を全うする上で「他者への尊敬」ということが非常に大事だな、と思っている。
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長友のおじぎ。好きです。本文とは関係ないんですが。

もちろん、お客様に対してということだけでは無く、社員に対してもそうだし、自分がサービスを受ける側になったときもそうだ。
相手の良いところが見えるから、結果として尊敬するのではなく、まず尊敬のまなざしで見てみる。すると相手の良いところや、相手がしてくれようとしていること、相手のためにすべきことが見えてきて、自分がサービスを提供する側であれば、自分のパフォーマンスが上がるし、逆に提供される側であれば、相手のパフォーマンスを引き出すことができる。何だかそんな気がする。
「尊敬に値するかどうか値踏みしよう」というスタンスでは、おそらく相手の最高のパフォーマンスを引き出すことはできないだろう。相手から見れば、自分自身こそ尊敬に値しない人物に見えている可能性がある。尊敬を求めてもいけない。尊大に見える可能性がある。
それに相手を尊敬していれば、どんなことが相手に迷惑をかけるか、相手が嫌がるか、相手が何を提供しようとしてくれているのか、そして、どの点を評価して欲しいのかというようなこともわかる。
だから、お互いにそういう態度でのぞむことができる仕事は非常にスムーズに進む。お互いが求めているものをお互いに差し出し合うような関係になれるからだ。
しかし、一方、もしくは双方が尊敬を欠いた場合には、お互いに求めてもいないものを出し合ったり、一方的な要求になったり、そして最後にはトラブルになる場合が多いように思う。

先日ある契約が破談になった。既に契約直前だったのにとても残念だ。その原因というのが、契約者がバイク用の駐車場を契約するのにあたり連帯保証人である父親にバイクの存在をだまっていてくれという依頼をこちらが断ったことだった。そもそもバイクの駐車場の連帯保証を頼むのに、バイクの存在をだまっていてくれというのは無理がある。虚偽の事実を告げて連帯保証人になってもらったとしても、その契約自体が無効になる恐れもあるし、無効になる可能性をはらんだ連帯保証なんて意味がない。大家さんにとっても、契約者にとってもリスクが伴う契約になるし、我々としてはそれをわかって進めるわけにはいかない。そのことをちゃんと説明したのだが、父親にはバレないことを期待したのか、契約をすることになった。
しかし結局、実際の契約の段になったら父親にはバレてしまって契約者はバイクのことを詰問されたらしい。それだけならまだ良いが、その当てつけなのか「親にバレて怒られたのはお宅(弊社)のせいだ。慰謝料代わりに仲介手数料を減額しろ」と来るから言いがかりも甚だしいし、全く意味不明である。弊社としては、法律を尊重し、契約者や大家さんのリスクを排除し、極めて全うな職務を遂行しただけに、そう言われたのは残念だったし、仲介手数料を減額しろと言われる筋合いも無いし、減額するくらいなら仲介をやめようということで、この契約からは外れることにした。

しかし、冷静に考えると、お客様が求めていることを本当の意味でわからなかった自分たちが至らなかったのではないか、と思うようになった。お客さんをちゃんと理解していれば、ここまで来る間にこの仕事を断ることだってできたはずなのだ。ちゃんと理解すれば、そのお客様が弊社のやり方にフィットしないということは、もっと早い段階でわかった。そうすれば、我々の傷口もここまで深くならずに済んだのだ。
おそらく、無意識的にせよ、お客さんを多数いるお客さんのうちの一人として見てしまっていて、その人個人に対する尊敬を欠いていたのだ。だから理解できなかった。

だから、色々な意味で相手をしっかりと理解しようとする尊敬のまなざしを忘れてはいけないと思いを新たにした。
そして、こんな愚痴のようなことをここでぶちまけている自分もまた、尊敬には値しないと重ねて反省せねばなるまい。

こんなところで。

R-STORE浅井

by r-store_asai | 2014-02-19 12:53 | ブログ

母校の卒業設計審査会に行ってきた。

こんにちは。R-STOREの浅井です。

先週日曜日に、出身大学建築学科の卒業設計の審査会に審査員としてお招きいただいた。
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母校。大雪の翌日でした。

こうして呼んでいただけるのも3回目だ。僕が学生の頃にも同賞は存在したが、審査員の方々は建築家として活躍されている方々ばかりで、そういった方々が、あくまでも先輩建築家として建築家の視点で作品を評論する場であり、僕のような門外漢はいなかった。そこに建築学科で学んだとはいえ、不動産屋の自分が顔を並べているわけだから、時代は変わったなあと思う。

当たり前のことだけれど、建物は重力が存在する限り、土地とは一体不可分な存在で、僕が専門領域としている不動産とは切っても切れない関係にある。不動産と関係しない建物などありえないし、実際に建てようと思えば、様々な不動産実務に関わらざるを得ない。

しかし、大学における建築「学」は、飽くまでも学問であるから、紙の上の物語である場合がほとんどである。地べたで行われている生々しく現実的なやり取りは、アカデミックな「学」の世界ではほとんど語られることはなかった。
「学」はクリーンで崇高なものであるから、金銭という生々しく下品なものに左右されてはいけないし、その為にも切り離して語られなければいけなかったように思う。

ただ、大学で教鞭をとるような人たちを除き、多くの建築家は紙の上の物語だけでは生きてはいけないし、現実的で生々しいやり取りのスキルも身につけなくてはならない。そして、建築家と協業することもある今の立場になってみると、そういったスキルを身につけた建築家の言葉やデザインにはクリーンなものからは決して感じられない強度を感じることができる。

僕は建築を離れてすでに10年以上が経つし、実務の経験も無い。図面を読むレベルなど学生以下だと思う。でも、そんなことをわかりながらも、僕を審査員として呼んでくれたということは、きっと建築学とリアルの狭間を埋めるような役割を果たして欲しいということなのだと勝手に解釈している。少しでも役割を果たすことができていれば嬉しいが。

また、一方で僕自身も建築のクリーンな言語がわかる不動産屋でありたいと思っているので、僕自身も毎年多くの刺激を受け取っている。この場を借りて、他の審査員の皆さん、事務方をやってくださっている先生、大学院生、そして学生の方々に感謝したいと思います。

ここから先は記録として、それぞれの案に対する僕の講評です。もっと色々とコメントしたいのですが、長くなり過ぎますので、続きはまた飲んだりしたときにでも。
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提出された作品たち。A1サイズ5、6枚の図面と、巨大な模型を皆がつくっています。
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合計22作品でした。どれも力作ぞろい。

ちなみに学生がつくったHPはこちら(まだ作品はアップされていないようです)

<総評>3年間審査員を続けてきて、今年が最もレベルが高く感じました。多くの案から、(未熟ながらも)おとぎ話で終わらない社会的にも経済的にも一定のリアリティを持たせようとする意図が感じられたことは、僕の立場としてはとても嬉しく思いました。

01この提案の一番のポイントである構造の仕組み自体が破綻しているのは痛い。もう少し研究すべき。また錦糸町の駅前という商業ポテンシャルの高い場所に対する提案にしては、容積率が未消化であるなど矛盾を感じた。

02商業施設という正解がほぼ固定化されているビルディングタイプに対し「非難」という新たな切り口から提案を試みた意欲は評価したい。しかし、従来の商業施設に対するリサーチの未熟さゆえのリアリティの欠如は痛い。

03既存の改修案にも関わらず、既存の建築や街並に対する考察が浅い。しかし、衰退する駅前商業を無理に延命させず、用途を変えて新たな命を与えようとする提案には共感した。

04いくつか見られた衰退する地方都市への提案の切り口としては、最も実現可能性を感じることができた。しかし、本人がその可能性に気づいておらず、提案のクオリティは低く極めて未熟であり勿体ない。

05ストーリー性や必然性が希薄なところが提案全体の強度を失わせている。出来上がったシーンは面白いが、根拠や必然性が無い為におもちゃ箱のようにちぐはぐに感じてしまった。

06結局デザインしたものは建築でなくて車だったというのが、建築学科の卒業設計としてどうなの?ということはあるが、「もう建築なんていらない」と言っているかのようにも取れるシニカルな提案は僕好み。

07河川の親水空間が有効活用されていないどころか、都市の裏側になってしまっていることに異論はなく、それに対する提案は求められていると思うが、イベントスペース間の提案が無い状態では評価しづらい。

08エコとかサスティナビリティというテーマは総論賛成の反論しづらいテーマで、逆に面白みを感じづらい。砂漠の中に突然できた太陽光発電装置のような、完全にスケールアウトした造形は迫力があった。

09ゴミ問題は人が生活する以上向き合わなければならない問題であり、テーマ設定としては良いと思うが、目黒という土地に対して人々が持つ期待を考えると、この土地のポテンシャルを逆に毀損してしまう提案になっている。

10建築というよりもアート作品のように感じられた。むしろ用途や機能からは離れて、ニュータウンに対するシニカルなメッセージを込めるなど、アート作品としての強度を高めて欲しかった。

11リニアの開通はすでに決定事項であり、そういう意味では実現可能性が担保されているものをより良くしようという提案はあって然るべきだと思う。ただ、その場合はより濃い設計密度が求められる。

12不在のため講評なし

13とある酒屋のためのプライベートな提案に過ぎず、個人的にはもっと広がりのあるテーマに挑戦して欲しかったという思いはある。設計密度は高かっただけに、模型の精度を高め、内部空間の大模型をつくるなどプレゼンを工夫すれば、より評価は高まったのではないか。

14地方都市に対する提案として、一定のリアリティを感じた点を評価した。今後の地方都市に対する投資は観光と複数拠点居住、ノマドワーク等がテーマとなってくると思うので、今後も掘り下げていって欲しい。

15商業施設の設計は、収益性と意匠のトレードオフが非常に難しく、結果として双方とも中途半端になってしまう商業施設が多いが、収益性の本質がファサードにあると見極め、それを操作することで収益性とデザインの二兎を見事に捕まえた力作だった。

16オフィスの空室問題は、超高層のSクラスビルではなく、むしろ中小規模の古いオフィスビルが抱える問題である。提案対象の見極めをしっかりと行い、経済合理性を考えることで、よりリアリティのある提案になる。

17古ビルを建て替えが進まない理由をもっと深く掘り下げ、それに対してリアリティのある提案をして欲しかった。古いから建て替えましょうという話が簡単に進むほど、現実世界は甘くはない。

18場所の設定、都市空地の使い方、空間構造とプログラムの親和性、どれをとっても素晴らしい提案だったが、惜しむらくは本人が良い提案であることを自覚できなかったことか。

19都市部の旗竿狭小住宅は現代のスラムみたいなもので、誰が見ても良いものではないが、経済的には非常に合理的でそれゆえに生まれ続けるという現実を折り込むと、建築デザインの提案に留まらない、よりリアリティのある提案になったと思う。

20海外に対する提案という点のみで一票。縮小していく日本に対する提案にこだわる必要は何も無い。ビジネスチャンスは世界中にある。しかし出来上がった空間がスラム以上のものとはどうしても思えず。

21ビル間の隙間に人工地盤をかける提案は卒業設計の定番と言えるくらい頻繁に目にするが、こういった提案がどうすれば実現可能なのかいつも悩む。新築ビルを建設するよりも、こちらの提案が良いという経済的合理性にかなった理由づけができれば面白いのだが。

22堤防建設に対する対案としては面白いと思うが、結果的に流れの無い「ため池」に隣接する空間が気持ちよいものなのかどうか、安心して住めるのかどうか疑問を払拭できなかった。

それでは。学生の皆さん、本当にご苦労様でした。
R-STORE 浅井 

by r-store_asai | 2014-02-12 13:08 | 建築


リノベーション、デザイナーズ、改造OK,賃貸住宅のセレクトショップR-STOREのハンサム社長浅井佳が綴る、住宅やライフスタイルのこと。


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